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650cTestach自転車四国88箇所の旅 (1)徳島空港〜11番藤井寺 [お遍路]

どうして四国一周、しかも88箇所巡拝をしようと思ったのか、それは2013年の夏のことじゃった。。。
自転車の楽しみはいろいろあるけれど、やはり「自転車旅」というものをしてみたかった。それから、それだけじゃない。なんだか自転車でなにをしていいかわからなくなってきた時期でもあった。もうこの歳、若いときになんのスポーツもしてこなかった自分が今更自転車で速さを競える訳もない。ヒルクライム?まさか。楽しみの一つではあるけど、坂だけ好きというほど速くないし速くなる見込みもない。

ブルベ?200kmを2回走ってみて、たいへん面白かった。また出たい。でもいっぺんに400kmも走ることを楽しめない気がする。眠い中夜間走るリスクをまだ飲み込めないのだ。
サイクリングイベント? 楽しいけれど、もう目標じゃない。

という感じで悶々と自転車生活のこれからについて思っていたのだ。毎週休みに自転車のって、たまにはみんなで走って。グルメもありで。ときどきイベントに出る。それ以上に何かないか。自転車自体は650cのテスタッチとオルベアを手に入れたことで、ひとまずは満足だ。自転車に乗ることに関して、なにかチャレンジングなことを「ひとりで」してみたかった。

四国88箇所を自分と自分の自転車でまわる。一般的には歩きで4週間、自転車だと2−3週間で巡拝可能らしいのだが、あいにくそこまで長期の休みはとれない。ちっとずつ区切ってまわろうと思った。とりあえず、何年かかるかわからないけれど、始めてしまった。

ちなみに四国にしたのは、北海道や九州一周は広すぎていかにも大変そうだったので四国にしたのと、「遍路道」といういちおうのコースがあり「一周」の定義がはっきりしていることなどから決めただけで、巡礼の旅であるとか、胸に秘めた想いがあるとか、なにか叶えたい願いがあったわけではない。

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ということで、2013年の9月某日、第一回目の自転車お遍路旅に出発した。四国八十八箇所巡拝の仕方は、もちろん一度にまわれるひともいるのだが、なにせ88札所(寺)、四国一周1200とも1400kmとも言われている道のりであるので、幾つかにわけておこなうことも可能である。もちろん一番から始めないで途中のお寺から初めてもいい。私のように分割して巡拝することを、区切り打ち、という。らしい。

一回目は一泊二日だった。初日は徳島空港着から午後いっぱい、翌日は帰りの飛行機までの午前中いっぱいしか走れない。しかも知らない土地で。。。



計画は、11番藤井寺まで巡拝し、自走あるいは輪行で徳島空港にもどるというものだ。
距離は60kmにも満たないので、半日30km、たぶん大丈夫と思うのだった。

徳島空港、快晴。阿波踊り人形の前で、このためにロードバイクからツーリングバイクもどきにかわった、testachを組み立てていると客待ちのタクシー運ちゃんが数人集まってきた。輪行のときかならず、こういう状況になるのだが、超恥ずかしい。なかなか恥ずかしい。しかし、恥ずかしいは恥ずかしいが。ひとりのおじさんが、一番札所霊山寺までの道を色々教えてくれた。早速ありがたいことなのであった。

徳島空港から一番霊山寺までは、結構距離がある。黙々とレンコンとおぼしき畑のなかを走る。
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途中で旧吉野川を渡る、橋桁がひくく、おー四国に来たぞ。という感じがやっとひしひしと湧いてきた。
お遍路装束であるが、サイクリングジャージのうえに袖無しの白衣を来た。ヘルメットを被って菅笠というわけにはいかないので、笠はパニアバッグに括り付けてみた。金剛杖は申し訳ないが省略した。弘法大師の化身ともいう杖なのだが、、、杖を背負っては自転車で走ることは困難であり、意味合いとしては私のテスタッチがその杖の代わりということにさせてもらった。

しかし、それしにしても自転車が重い。。。今回、宿を決めていないので輪行袋から着替えまですべて積んでの旅である。荷物の軽量化には努めたものの、フロントバッグとリアのパニアバック合わせて6kg程にはなっており、これはどうやらいつものロードバイクでのサイクリングとは勝手が違うな。。。と思うのであった。

だいたい10キロちょっと走った所で、一番札所に到着。
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おおーやっぱマネキンが居るんだ〜。と門をくぐって境内に。手を清めて、本堂→太子堂→納経所という流れは事前に勉強しておいた。初めての納経、無事終了。これを88回繰り返すわけね。と思うとやや気が遠くなるが、先を急ごう。ここは1番なので、お遍路物品の売店がかなり充実していた。自分も納め札を購入。こちらは納経と逆?で自分の名前などを記してお寺に納めるものである。通常?は白い札だが、遍路の回数を重ねると緑→赤→銀→金→錦とランクアップしていくらしい。たしかに納札箱のなかに白じゃない札が入っていることを後々知ることになるのであった。

えーっと、去年の話なので後は断片的に記録していくことにする。
2番極楽寺
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3番金泉寺 暑くて休憩。
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四番大日寺 ここは少し坂を登ったところにある。大した坂ではないのだが、慣れない道、重い自転車などなどあり決して楽ではない。しかし徒歩の人を見るにつけ、もっと大変そうだと思うのだった。
これから徐々に判ってきたことなのであるが、お寺というものはしばしば、人里離れたちょっとした丘の上か、かなり人里離れた大変な山の上にあるのかどちらかのグラデーションのなかにある。つまりちょっと登る寺か、だいぶん登る寺かのどちらかなのであり、後々知ることになるが、苦労して登った寺ほど、ありがたく、心に残る物なのであった。
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さて宿を決めていないという話だった。そう、当初は「お遍路の旅、日が暮れるまで納経所が閉まるまで、行ける所まで走るのがお遍路。宿の予約などもってのほか。場合によっては野宿も辞さず」と息巻いていたのであったが、各方面からそれだけはやめてくれと懇願され、夜は全て宿をとることにした。7番と8番のあいだに御所温泉というところがあるので、そこに決定。電話すると空きもあるそうで、とりあえず宿は確保されたのであった。しかしこの御所温泉というところが初日で一番高い丘の上にあったのだ。今度から宿を選ぶ時はお値段や食事や部屋もともかく、標高も訊いておくべきと心にメモした。

五番地蔵寺 ここは4番にいく坂の途中にある。真ん中に大きなイチョウの木があって、なんだか涼しげな雰囲気の良いお寺だ。
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とは言え、暑いなーとお参りをすませ、次は何寺だっけとたたずんでいると、空港であったタクシーのおじさんに再会。「お接待したる、きのうも外人さんのお遍路さんにコーヒーお接待した。」と、冷たいCCレモンをくださった。おおー!これがお接待か!とありがたく頂く。冷たくて大変美味しかった。初日にして四国お遍路文化のひとつの”お接待”を体験して超感激。現金にもますます真面目に走ろうと誓うのだった。

ちなみに道順は事前にマップを印刷したり、有名なお遍路協会の地図を使ったりするのだが、実際の道路にいろいろな形で道案内が出ているのでそれに従うことで次のお寺に導かれることも出来る。
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しかし、基本は歩き遍路の方用の道しるべなので、うっかりすると非舗装道路に誘導されることもあるので注意が必要である。でも”迷っていない”と確信出来るのは見知らぬ土地を走る者にとっては非常に心強く、ありがたいものではある。

というわけで、午後も遅くなってきた。6番安楽寺着。ここは隣接している売店?がちょっとお洒落でアイスやらコーヒーやらをとることもできる。さっきCCレモンを一気飲みしたのに、ここでもアイスを食べる。なにしろ暑い。お土産の手ぬぐいを買う。
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7番だけど十楽寺。いい感じに夕方になってきた。
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ここから日没と競いながら最後にちょっとした坂を登って、やっと宿に着いた。けっこうぐったりである。
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頂いた御朱印をみながら、その日の行程を反芻してみたり。二日目は11番藤井寺まで行くことは決めた。(10番までが吉野川の北に一塊になっていて区切りはいいのだが、12番が難所中の難所、焼山寺のためできるだけ距離を稼ぎ11番までまわって次回を楽にしたい)そこからどうやって徳島空港に戻るか、決めていないのであった。電車で輪行→徳島駅から空港までバス。体力的には楽だが、やや乗り継ぎが不安ではある。と時刻表などを見ていたが、疲れて寝てしまったお遍路の初日なのであった。



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