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トレミン、南の島に行く 完走! 石垣島アースライド後編 [ロングライド・ブルベ]

ということで、妹と別れコースを一人でひた走ることになった。船越漁港に午前11時までに到着しなければ、その先の平久保崎灯台に進むことができないのだ。なんだかんだ時間を取られたせいで、手前のエイドに到着したのが午前9時40分すぎである。あと20kmを1時間20分程で走らなければならなくなってしまったのだ。普段なら楽勝な距離だが、この坂攻撃のなかでは全然安心出来ない残り時間である。お気楽イベントが一転、ブルベ並みの緊張感にわかにわき上がって来た。急がねば。一人ブルベ状態である。とすると、目の前を素敵な背の高い女性サイクリストがもう一人の同行の男性と会話しながら走っている。さすがおしゃれなアースライド。カップル率高し、である。しかもこの2人とてものんびりとしたペースで走っていらっしゃるし、しかもなぜかカメラのバイクが並走しているではないか。なんだろう?と不審に思いつつパスしたいところだが、悲しいかな、2人とバイクをごぼう抜きにできるほどの脚力もなく、2人の間に入ったり、内側にまわったりうろうろしてしまった。なかなか集団と自分のペースって合わないんだなー、と彼らが路肩で停止した時に無事、追い越すことができたのである。。。
。。。としばらく走ってから気がついた。
今のって何かの撮影だったのでは???
そして彼らが停まったのは休憩のためではなく、不審に周囲をうろつく私をやり過ごすためだったのでは!

すまぬすまぬ、と心の中でタレントさんの撮影隊に謝りながらも、先を急いだ。そしてますます道路の起伏が激しくなりもう、いくらなんでももう坂でお腹いっぱい、食べられません。となったころ
IMG_0776.jpg
ふいに、視界が開け、今まで左に見えていた海が右手にも見えるようになってきた!いよいよ石垣島北端の入り口、伊原間の地に到達したのだ。そして全速力で船越漁港エイドステーションに到着した。その時間、10時58分。本当にギリギリのところで間に合ったのだ。
ゴーヤ.jpg
この要のエイドにはなんとゴーヤマンがオニギリを配布していた。あまり時間もないのだが、記念撮影をお願いすると気さくに応じてくれて、しかも「そっちからだと逆光だから」と、胡瓜の仲間のクセに割と日当りを気にするゴーヤなのであった。あと、ゴーヤが横なので、私のヘルメットにゴンゴンと当たって写真取りにくかったです。。。ゴーヤマン、なぜ縦でなくて横なのだろう。

さて足切りを免れた私はゴーヤにもらったオニギリを食べ、晴れて灯台に向かって走りはじめた。
とすると、背後から参加者をサポートしてくださる指導員(と、ツルちばでは言っていた)が声をかけてくださった。すごいヒラメ筋で一見してただ者ではなさそうである。

「ここが最後尾ですから、頑張っていきましょう!!まだまだ大丈夫です。時間はありますから!」


ななな!

そうだそうなのである。2分で足切りを免れた、ということは、私より後に船越漁港に到達した人は皆復路に折り返したはずである。つまり、わたしが筆頭?ビリ候補なのだ。いや、別にレースでもないし、最長・最難度のコースを走っている訳だからとくに最後にゴールしても制限時間内ならなんら、問題はないはずではある、しかし。。。
ここで、私の頭の中を走馬灯のように、ビリでゴールした時におこりうることが駆け巡ったのである。あくまで想像なのだが、こういうイベントなので、当然ゴールにはバナーみたいなのがあって"Finish!"とか書いてあって、マイクで実況とかステージとかあるんだろう。そしてそこの女性アナウンサーみたいな司会みたいな人がきっとすごいテンションで、
『あ!今最終走者の方がゴールに入ってきました〜!!女性のかたですね。白とブルーのジャージ、オーダックスチバ、って書いてありますねえ?千葉からいらしたんでしょうかっ?最終走者。オウダックスチバの方!!!さあ、最後の走者となりました。後少しですよ〜がんばってくださーい!』

、、、悪夢である。もしかしたらこれが現実になって明るみに出た場合、もしかしたら、AJ千葉の皆さんからもうジャージを着るなと言われてしまうかも知れないではないか。絶対にビリは避けなくてはならない。
一生懸命漕いでいるのだが、灯台までの道はさらにアップダウンの激しいものであった。しかしそんなことはどこ吹く風といった風情の指導員である。と、お、あすこに横たわっているのは悲しい状態になった蛇さんではないか。かわいそうに。。。千葉の山ん中でもよくある風景ではある。自転車に乗っていると地面と速度と目線が近いため、色んなものが目に入って来るものだ。

指導員「おっっと」

「蛇ですねえ〜」(一応余裕)

指導員「うん、ハブだけどね。」

ギャー!!!

言われてみれば、房総の蛇と違って牙があったようである。絶対に帰りに踏まないようにしないと。
灯台に.jpg
あの丘の反対側に灯台があるのである。
灯台ちかし.jpg
後少しである。
灯台.jpg
到着〜(ゴールまでまだ半分ありますが)
とうとう、最終走者集団を担当する指導員の方に引いてもらい。ようやく平久保崎灯台に到着したのであった。この先は車両は入れないが、徒歩で岩場を登っていけば灯台の所まで行けるのだが、このままクリートをつけて登っていった場合火曜サスペンス劇場のラストシーンのような状態になる危険性があるため断念。踵を返し念願の復路についたのであった。

帰りは、ビリにならないよう懸命に漕いだ。いつの間にか指導員のヒラメ筋氏も居なくなっていた。といっても、別段急に速度が上がった訳でもないし、コースも当たり前だが往路とおんなじ坂のわんこ蕎麦状態である。私の場合どんなに漕いでもさほど速い訳でもないため、皆より速く進むために休憩を減らしただけなのだ。亀さん大作戦である。幸い復路にはエイドでのスタンプは押されないようなので、極力エイドステーションに寄らないで帰るつもりであった。
そう、サーターアンダギーもオニギリも肉みそも、ゴーヤーマンにも脇目も振らずゴールに急ぐのであった。とうぜん、確実にヨレヨレになっていく。お腹がすいたのだ。あとなんだか左の腿が踏もうとすると、ピッピッっとなる。痛みはないのだが、一度ピッとなるとヘナっとして脚に力が入らないのだ。これが脚が痙攣ったとかあるいはうわさのハンガーノックというものだろうか。。。自販機でコーラを買うもとくに良くなる兆しもなく、やはり少しは休んでおくんだった、スタート・ゴール地点に一番近いエイドステーションは往路のみで復路はないという話ではないか。たしかに路肩に座って休む人、自転車を押して歩いている人が目立って来ている。。。コンビニもないし、失敗したか、と思って後悔していた所に!
ゆきや.jpg
コースのど真ん中になんの前触れもなく『新城幸也ロード(幸也のばあちゃんち前)特別私設エイドステーション』が現れた!
行きにもあったが、こういう行き暮れている時には天国のような所に思える。こちらで特製のサーターアンダギーやトロピカルフルーツ、パッションジュースなどなどたらふく詰め込まさせていただきました。ほんとうに新城家の皆様には頭が下がります。感謝感激すっかり生き返った気持ちであと20kmを走れたのであった。助かった。

そして、60kmを走った妹のゴールから約1時間遅れで午後2時57分、今回は転倒もパンクもせず、無事ゴールしたのであった。いろいろ甘く見ていたせいで125kmを7時間45分もかかってしまった。1)ペース配分2)(商業イベントと侮って)補給不足だったこと、が主な反省点である。ゴール後妹とも再会、写真を誰かに撮って頂こうと周りを見回すも、くたびれて芝生で大の字になっている参加者だらけである。そんな状態の人をおこすのも忍びないではないか。。。お、あそこに大きなカメラをもっている男の人がいるではないか。お願いしよう。
「すみませーん、写真撮ってもらえませんか?あ、そのカメラでなくてこっちの私のデジカメでお願いします〜。」
goal1.001.jpg
「どーもありがとうございました。観光でいらしたんですか?それともお仕事ですか?」

「ふふふ、、、サイクルスポーツです。」

ぎゃー

と、業界最大の商業誌カメラマンさんに記念写真も撮って頂きちょっと恥ずかしかったが、結果オーライなのであった。
最後.jpg
こうして、今回も無事自転車遠征が成功した。辛かったこともあったが、終わってしまえば楽しさだけ。また来年も自転車でどんどん遠くに遊びにいこう、と思いを新たにしたのであった。
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コメント 16

angiras6

感動ですね!

私はイベント系には参加したことありませんが、この記事読んでちょっと興味が出てきました。
by angiras6 (2010-12-01 05:51) 

中井貴一似

大変お疲れ様でした。
無事完走良かったですね。
これでツル千葉以上のリベンジですね。
イベント系は楽しいと思います。
その調子でブルベ頑張ろうね。

早速来月は千葉ブルベ200km開催だよう~。
来年も千葉ブルベは輪行して走りたいですう。

ガンッバ!


by 中井貴一似 (2010-12-01 06:09) 

nucky

無事完走おめでとうございます。

ハンガーノックと痙攣危なかったですね。
私は今年は熱中症から熱痙攣2回、ゴール前でのハンガーノック1回経験してます。辛いですよ〜。

それにしても私設エイドステーション凄いですね。感動です。私も寄ってみたい!
ロングライドイベントは沢山の人の好意の上に成り立ってるんだな〜と感じる瞬間ですね。
これを体験するとやめられないなあ。

妹さんの感想も聞いてみたいです。
by nucky (2010-12-01 10:56) 

G

完走おめでとう!お疲れ様でした!
俺も遅いのでよくわかりますが遅いとエイドで休む暇もなく少しずつでも亀のように進むしかないのですよねー。ハンガーノックはいつの間にかやってくるのでこわいこわい・・・

最後まで読ませてくれる素晴しい文章で楽しかったです♪
kayoさんの次なる冒険ははたしてどこなのか!?


by G (2010-12-01 11:54) 

fischer

いつも楽しく読ませていただいております。
あらためて 完走おめでとうございます。

ハンガーノック 気が付いた時には遅いんですよね。脱水症状なんかも。
前もって、前もって対処いていないと、気が付いた時には
”えっ!? 何だ~っ、体がゆーこときかない~~~”って なりますね。

新城選手のおばあちゃんに 感謝!! ですね。

怪我も無く、石垣島と自転車を思いっきり楽しめたようで なによりです。

by fischer (2010-12-01 18:22) 

kayo

angiras6さま

イベント系、楽しいです。ブルベが(といっても1回しか出たことないですが)マジ競技だとすると、イベントはお祭りって感じです。コースも案内してくれるし補給もあるし、楽しいですよ。ぜひ一度体験してみてください~
by kayo (2010-12-01 20:06) 

kayo

masaさま~

応援ありがとうございました、無事でしたよん。
来年千葉ブルベ、どうしようかなー。北海道も良かったし、なんだか沖縄でもあるらしいではないですか!迷います。
千葉まで輪行ですか!ちばって関東なんですけどでも半島だから意外にアクセス厳しいんですよね。アクアラインは自転車だめですし、電車も通っていないですから。

by kayo (2010-12-01 20:09) 

kayo

nuckyさま

新城選手の御家族総出での応援でした~。おばあさまも1日大変だったと思います。癒されました。いいですよね、石垣島はどこに行っても、「自転車のひとなの~?」と親切にしてくれました。ホントいいところです。

妹は、おねーちゃんの自転車のほうが走りやすい、ズルイと言っております。そりゃー私はあれこれ真剣にいじってますから。でもチネリのほうがうちの鉄郎よりもアルミとカーボンフォークでずいぶん軽いんですけどね。
by kayo (2010-12-01 20:14) 

kayo

Gさま

いえいえ、こんな文章に付き合っていただいて、恐縮です。もっと何気ない自転車の出来事もおもしろく書けるようになりたいですねえ。イベントなんておもしろくって当然ですから。

ハンガーノックというのか、とにかく突然お腹が減ったのはびっくりです。新城選手のエイド、ありがたかったー。
by kayo (2010-12-01 20:18) 

kayo

fischerさま

応援ありがとーございます。読んでくださって私も嬉しいです~。

やはり11月とは言え、けっこうな日差しが(気温も26℃でした)知らず知らず水分不足・補給不足になっていったんでしょうね。すいぶんと自転車を押して歩いている人を見かけました。たかだか100kmのイベントですが、されど100kmです。
by kayo (2010-12-01 20:21) 

moumou

記事は面白おかしく書いてありますが実際大変だったでしょう。アップダウンの椀子蕎麦状態ですもんね。それでもまた次に輪行したいと思わせる魅力があるんだなあこういうイベントには。ハブに噛まれなくてよかったですよ本当。
by moumou (2010-12-01 22:06) 

けーこ

お疲れ様でしたっ♪
無事完走おめでとうございます(^.^)

いいなぁ~、青い海っ!!
せっかくの南の島ならねずみ色より青が見たいですっ!(力をこめて言う)

ハブ踏まなくてよかったですね(笑)
そか、沖縄本島にもハブいたんだった。。
ヤンバルクイナとの遭遇ばかりを思っていたけれど、ハブのことを今思い出しました(汗)
by けーこ (2010-12-02 18:15) 

kayo

moumouさま

応援、ありがとうございます、
けっこうキツかったです。イベント系は楽勝なのでは?とか思っていた自分。。。間違いでした。ぜひ来年も挑戦したいです。ハブには気をつけて〜
by kayo (2010-12-02 21:17) 

kayo

けーこさま

どーもです!

本島は雨だったのですね。沖縄は二日間もあるんですよね、それはたのしそーだー。来年はそっちに行こうかな。両方行こうかな、って無理です。はは。
ハブ、とか当たり前に言われるとびっくりです。北海道の熊みたいなものかしら?
by kayo (2010-12-02 21:20) 

easy

やはり、ネタは仕込んでいたのですねぇ。
AJCジャージでの最後尾アナウンスの期待、ゴーヤマン頭突き、
サイスポ記者に撮影してもらうなど、元はバッチリとってきましたね(笑)。
案の定という感じで、記事を見終わった後、ウンウンと頷いていた姉さんファンは
私以外にもいると思いまする。
by easy (2010-12-02 22:32) 

kayo

いーちゃん

左様でござりまするか。ご期待に添えてうれしいですよ。
ゴーヤーマンはほんと気さくな人でした。暑そうだったけども。石垣島のゆるキャラ?なのかな、もうちょっと良いのにしたらいいのに。ゆるすぎです。

サイスポの方は、「もうちょっと寄って!もうちょっと右。。。」とプロらしい指導がありとてもナイスな写真になりました、感謝です。あはは。
by kayo (2010-12-03 06:50) 

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